2011年3月23日水曜日

悲しい火の見櫓。

津波の被害をもろに受けた岩手県大槌町。
この町の消防団員の方が、
最後まで住民を非難させるために、
火の見櫓の半鐘を鳴らし続けて、
そのまま津波にのみ込まれたそうです。

以前から、火の見櫓の形態的な美しさや、
バリエーションの楽しさ、などについて
ブログで書いてきました。
今でも、好きです。
絶滅しなければ良いと思っています。

でも、実際の災害で、こんなに悲しい事があるって知り、
複雑な気分です。


 ↑ 半鐘。きっと、津波発生時に街中に響いていたんだろうな。

この町には災害を知らせるサイレンもあったようですが、
停電のために使えなかったみたいです。
それで、この半鐘を打ち鳴らすしか手段がなかった。
半鐘を鳴らすのに電気は要らない。
でも、鳴らす人が危険にさらされる。


 ↑ 櫓の上から、迫ってくる津波の姿が見えてたんだろうな。


 ↑ 津波警報、大津波警報、それぞれ鳴らし方が違う。

恐らく、そんな鳴らし方の違いを気にするより、
とにかく、力のかぎり、半鐘を鳴らし続けたんだと思う。

結果的に津波に飲み込まれ、櫓は全壊。
半鐘と、消防団員の方は未だに見つかっていないらしい。

あまりに悲しい出来事ですが、
鳴り響いたこの半鐘の音のおかげで、
きっと多くの住民が避難をして、
津波から逃げることが出来たんだと思います。

自分がもしその場にいたとしたら、
いったいどんな行動をとっていただろう。
半鐘を鳴らし続けるなんて事が出来ただろうか。

想像するまでもない。
自分と家族の避難が最優先だと思う。

何が正しいか分からないけど、
それでほんとにいいのか。
ちょっと深く考えてしまうのです。


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